連携・連帯し、「校長としての判断」を学び合い、支え合う中学校長会

岐阜県中学校長会  会長 神谷 憲一

 

令和6年度、県中学校長会は通常の研究推進や公立・私立高等学校、県教育委員会との連携・協議を進める一方で、来る7月3・4日に開催する東海北陸中学校長会研究協議会兼岐阜県中学校長会研究総会岐阜市大会の準備に、会員一丸となって取り組んで参りました。いよいよ本番が間近に迫り、大会の成功が大きく期待されるところです。そのような中、会長という重責を担うこととなりました。微力ではございますが、会員の皆様、関係者の皆様とともに精一杯歩みたいと思っております。ご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

1 迷い、考え、判断する校長

校長の仕事は、「学校課題の解決に向かう学校経営」です。その営みの中で校長が様々判断に迷うことは、当然のことでありますし、校長の「校長としての誠意」の表れです。校長は一定のベクトルに向かって迷う中で、多面的・多角的に情報を収集し、整理・分析し、まとめ・判断します。この営みは、まさに「探究の過程」ですが、私たち校長にとっては必須の営みであり、こうした営みこそが「校長としての判断」の基盤であると思っています。

かくいう私も、現在、答えを出せずに悶々と考えていることがいくつもあります。

例えば一つ目は、自校の問題です。自校・大垣市立上石津学園は4小学校・1中学校を統合し、令和6年4月に義務教育学校として開校しました。子供たちはあっという間に適応し、4小学校が自然に打ち解け、バス通学や教科担任制、チーム担任制、縦割り掃除等にも慣れ、一つの学校として歩み出しています。

しかし、子供の成長をどう描くかが大きな課題として見えてきています。これまで小学校・中学校といった枠組みの中で描かれてきた子供の成長過程は、6年生から7年生への移行が滑らかになるとともに、後期課程生徒のリードが強くなる義務教育学校において同じではありません。これは、義務教育学校に共通する教育課題の一つであるとともに、義務教育学校における教育指導の在り方の創造として、今後も問い続ける課題であると思っています。

二つ目は、部活動の地域展開(地域移行)と中高連携の在り方についてです。新たな地域クラブの発足により、部活動の大半の時間、生徒を指導しているのは地域クラブの指導者であり、学校(顧問)の部活動に対する関わり方が従前とはずいぶん違ってきています。このことは様々な形で、生徒の進路選択・進路決定の営みに多かれ少なかれ影響をもたらすものと捉えています。校長として、県中学校長会として、どのように整理していくと良いか、考えているところです。

三つ目は、例えば修学旅行の在り方の変化です。二泊三日が定型の中学校修学旅行ですが、令和6年度、県内176校中9校が一泊二日で実施しています。理由は、物価高騰による保護者負担の軽減や集団行動が苦手な生徒の増加への対応等です。他にも、昨年度に比べ、旅行費用は2.5%増、貸切バス代は17.8%増。オーバーツーリズムにより行程を立てにくい、今後も物価高騰は進むなど、従前の定型を実施しにくい状況が報告されています。一方、探究学習と深く関連付けた修学旅行の実施も望まれています。令和時代の修学旅行の在り方について、考えを深めたいところです。

一例を挙げましたが、会員の皆様におかれましても、同様の状況があるのではないかと推察します。

2 校長の判断を学び合い、支え合う連携・連帯

私にとって、こうしたことの判断に必要な情報と判断する勇気を与えていただけるのが、自校職員はもとより、地元大垣市中学校長会の皆さん、そして県校長会でお会いする皆さんです。冒頭の営みを積んでこられた校長先生方のお話には、多くの情報と示唆が込められており、感謝申し上げるばかりです。

様々な事案対応や情報収集には校長同士が瞬時に連携を図り、諸問題・諸課題には校長会として平時から連帯して解決に当たる。そうしたことを通して、校長が相互に「校長としての判断」を学び合い、支え合い、「学校課題の解決に向かう学校経営」の成功に資する地元校長会と県中学校長会でありたいと願っています。

 

一年間、どうぞよろしくお願いします。