学び合い リーダーシップを磨く 小学校長会

岐阜県小学校長会 会長 稲川 貴士

 3年に及ぶコロナ禍は、未だはっきりとした終息を見ないまま、ポストコロナの時代へと突入しています。この間に実感しますのは、まさに予測困難な時代であることと、そのような時代にあってもたくましく生きていく力を身に付けた子供たちに育てなければならないという私たちの使命の重さです。

1 本質を見極めて学校教育目標の具現に徹する

かの俳聖松尾芭蕉は「奥の細道」の中で、「変わらないものを理解しないで基礎は成立しないが、変わるものを理解しないときには進展がない」と述べています。この言葉の意味する「不易」と「流行」は330年ほどたった今でも通用します。
私たちは学校における全ての教育活動を学校教育目標の具現のために行っていると言えます。その学校教育目標には時代を経ても変わらない「不易」が込められているのではないでしょうか。そのことを今改めて肝に据える必要があると感じています。
また、同時に、激しい時代の変化に伴って学校教育に寄せられる社会からの様々な要請やそれらを基にした施策の数々についても、どのような背景を基にしているのかを理解するとともに、それらは「不易」であるのか「流行」であるのかを冷静に見極め、自校の教育活動にどう反映していくのかを判断し創造的な学校経営に生かしていくことが必要です。これらのことは言い換えると、「目的」と「手段」という言葉で整理することもできるように思います。

2 学び合い リーダーシップを磨く

昨年度末に刊行された「研究紀要No.66」を改めて全て読んでみました。例年よりも分厚くなった研究実践の紙面からは、校長先生方の子供たちへの情熱と市郡校長会の結束力が感じ取れるとともに、各種教育課題について、柔軟な発想で対応を考えればよいことや、改善の具体的なポイントを学ぶことができました。
全ての分野においてオールマイティな校長先生は少ないと思われます。ですから各分野のスペシャリストの校長先生や、各分科会で意図的な実践を通して専門性を高めてみえる校長先生から学ぶことで、お互いの力量を高めることができます。
そして磨くべきリーダーシップについては、令和4年8月に改正された「公立の小学校等の校長及び教員としての資質の向上に関する指標の策定に関する指針」の中で、校長に求められる基本的な役割として、「学校経営方針の提示」「組織づくり」「学校外とのコミュニケーション」の3つが示されています。これら3つを現在推進している11分科会におけるリーダーシップの共通点とすることで、研究協議の際に整理し深めることができると考えます。

3 東海・北陸 岐阜大会に向け皆様の力の結集を!

いよいよ本年10月26・27日には、第58回東海・北陸地区連合小学校長会教育研究岐阜大会を、長良川国際会議場をメイン会場に開催いたします。岐阜市並びに岐阜地区の皆様には格別お世話になります。
他県の先生方との研究協議には、改めて共感することもあれば、実態や方策の違いに新たな知見を得られることもあるはずです。この機会に、岐阜県の強みである校長会の組織力を発揮して、4年間積み上げた研究実践を力強く発信していきたいと思います。そして、県内345名の校長先生方全員が「フルサイズ・参集型」の大会を通して、自らのリーダーシップを磨く絶好の機会といたしましょう。
また、2日目の全体会での記念講演では、北京オリンピック男子モーグル銅メダリストの堀島行真選手にご登壇いただきます。池田町立温知小学校のご出身で、校訓である「温故知新」を心の支えにしてきたと伺っています。目標を定めてあらゆる面で自己を高めようとするトップアスリートの生き方には、自校の子供たちへ伝えるべき大切な本質があると確信しています。

皆様の力を結集して本大会を成功裏に進めてまいりましょう。よろしくお願いいたします。