新たな日常を創造する「小中学校長会」

岐阜県小中学校長会 会長 長屋 メイ子

諸先輩方が築いてこられた伝統ある岐阜県小中学校長会の重責を担うことになりました。力不足ではありますが、組織内、他の組織との連携を大切にしながら、精一杯務めさせていただきます。会員の皆様のご支援をどうかよろしくお願いいたします。

さて、コロナ禍も4年目となり、「ウイズコロナ」の中で学校運営を続けていくと思っていた矢先、3月には、マスクの着用は「個人の判断」になり、5月には、感染症法上5類に移行するというニュースが飛び込んできました。これまでも、様々な我慢を余儀なくされてきた子供たちにとって、日々の教育課程の取組や学校行事の制限も少しずつ緩和されてきて、笑顔がはじける場面が増えてきました。私たち教職員は、できない、やらない選択ではなく、どうしたら実施できるのかを懸命に考え、応えてきました。その決断の際の大きな支えだったのは、他校の校長先生との情報交流に他なりません。

しかし、マスク解禁を単純に喜ぶことができない実態もあります。学校でのクラスターが少なかったのは、徹底的な感染予防に努めた結果です。メリハリあるマスク着用に心がけたからです。これで、いざマスクを外すことになったら心配に思う子供たちもいます。大きな声で話すこと、顔を出すことへの抵抗に配慮し、感染予防に努めながら、進める必要があります。「アフターコロナ」は、コロナ禍前の日常にすべて戻すことではないことは、皆様感じていらっしゃるかと存じます。コロナ禍から学んだことも多くあり、当たり前に行ってきたことを考え直す機会にもなりました。教育課程や学校行事等、子供たちはもちろん、教職員にとってのベストを考えていかなければならないと思います。このような新たな局面を迎える状況だからこそ、今まで以上に校長同士が互いに学び合い、支え合う「小中学校長会」でありたいと思います。

■  学び合う「小中学校長会」

山積する諸課題の対応に関しては、国・県・市町村の動向や改訂された法令等を正しく認識し、学校や地域の実態に応じて適切に実施することが重要です。その中で、日々の学校課題に向き合い解決を図る際に、参考となる情報提供ができたらと考えています。
そこで、「教育問題審議会」において、スクールロイヤーの活用や年々増加にある要支援児童生徒への対応について、実際の活用事例に関する成果と課題を共有し、学び合うことは、日々の学校運営にも生かせると考えます。
その報告や答申を市町村小中学校長会に情報提供するとともに、これまでに作成された資料もホームページに掲載しておりますので、有効に活用していただきますようお願いいたします。

■ 支え合う「小中学校長会」

長きにわたるコロナ禍を経験し、その対応については市町村内の学校のみならず、他の市町村の動向についても情報交流が行われ、参考にすることで大きな支えとなりました。今後も、必要に応じ県内の連携が可能になるようにしたいと考えます。小中学校長会は、小学校長会・中学校長会と違い全国とのつながりはありませんが、県内の各組織・団体等との連携を大切にしています。その中で、義務教育の取組や課題等、理解していただけたらと願っています。こうした連携を一層大切にしながら、各校長先生方に有益となる活動を推進していきたいと思います。学校は、教職員がやりがいをもって、子供たちの今と未来を創造し、幸せな人生を歩むことができるようにすること、学ぶことの楽しさを教えられる場所でありたいと思います。
多くの先輩校長の思いを繋ぎ、できることに最善を尽くす岐阜県小中学校長会を目指しますので、一年間どうぞよろしくお願いいたします。