県小学校長会の強みを生かし、リーダーシップの質を高め合う

岐阜県小学校長会

会 長 立 川 健 之

新しい年が明けて暫くした頃、衝撃的な記事が目に飛び込み、詳しく調べたことがあります。

ゲノム編集の子 神の手を勝手に使うな(概略)

中国の研究者がクリスパーキャス9と呼ばれる技術を使って受精卵の遺伝子を改変、エイズウイルスに感染しない双子の女児が生まれたと発表。当初は、真偽がはっきりしなかったが、広東省の調査チームが調査し、事実と認定。

このクリスパーキャス9は比較的安価で、高校生程度の知識・技能で利用が可能だという。

それまで、シンギュラリティ、本格的なAI社会の到来と雇用の未来、Society5.0、予測困難な厳しい挑戦の時代等、様々な近未来に関わる言葉や予想を見聞きしていました。しかし、その一方で、その未来を生き抜く力を身に付けた子どもたちの育成が、今、学校に求められている使命と感じながらも、実感が伴わない自分がいました。

しかし、上記の記事を目にした時、近未来の社会が現実のものとして、突如襲いかかってきました。「人として何を大切にして生きるのか」という重大な価値判断が求められる変化が、現代社会で起きていることを実感したのです。

『大きく変化する社会の中であっても、自他の幸せや持続可能な社会の発展を願い、正しく判断しながらたくましく未来を生き抜く力を子どもたちに育んでいかなければならない』との思いをこれまで以上に強くしました。

特に、小学校教育は、「人間性を育む教育」の基礎となる大切な時期を担っていることを忘れてはいけないと思います。学校教育の中で、様々な学習や体験等を通して、調和のとれた人間を育むため、どのようなグランドデザインを描くか、校長のリーダーシップが大きく求められます。

本年度、岐阜県小学校長会では、リーダーシップの質を高め合っていくために、次の2点を大切にしたいと考えています。

 

1.県小学校長会の強み『組織をあげた学び合う共同研究』を生かす

昨年度、美濃地区で開催された研究総会に参加し、小学校長会のこの強みを実感しました。分科会で発表された内容は2年間の組織的な実践が積み上げられたものであり、その実践を踏まえた研究討議は、校長として、いかにリーダーシップを発揮していくかを学び合う貴重な時間になりました。

現在の学校を取り巻く状況をみると、新学習指導要領の完全実施に向けた準備は待ったなしです。加えて、学校内外での危機対応を含めた直面する課題が山積し、なおかつ働き方改革の大きなうねりが押し寄せています。私たち校長自身が、未来を見据えた創意ある経営ビジョンと計画のもと、確かな実行力でこれらの課題解決に向かう姿勢が求められているのです。そのためには、これまでの経験のみに頼った学校経営では絶対に対応できません。校長一人一人が、自ら求めて知見を深めると共に、協同して研究実践を進め、学び合う中でリーダーシップの質を高め合うことを共通理解して歩みましょう。

 

2.現主題での実践研究の総括と新たな方向づくり

新元号「令和」の時代が始まりました。今年度は小学校長会にとっても大きな節目の年となり、現研究主題での3年サイクルの最終年度となります。これまでの研究実践の成果と課題を明確にし、4年先の東海北陸岐阜県大会を見据えた新たな研究実践のスタート準備をすることが必要です。

また、研究総会において、特色ある教育の内容や推進の在り方を学び合ってきた地区発表は、今年度の西濃大会で一巡します。研究総会を、校長自身が学び合い、リーダーシップの質を高める大切な研修の場とするため、今後の内容・運営について再検討するチャンスであると考えています。よりよい研究総会とするため、皆さまの積極的な意見をお願いします。