組織的に 学び続ける 小学校長会
岐阜県小学校長会 会長 林 則安
昨年度は、どんな状況でも「子供の学びを止めない」という強い意志をもち、私たち校長会も学び続けることができた一年でした。ウイズコロナを生き抜く、そしてポストコロナを見据え、皆様の支えにより、研修総会をオンラインで開催したり、研究総会では会を縮小し、参集型で開催したりすることができました。各学校や各郡市校長会でも、コロナ禍や働き方改革を踏まえ、限られた条件の中、「学校経営に真に必要なものは何か」を問い続け、「最小限の努力で最大限の効果」が得られるように学校経営の工夫改善を図っていただいていることと思います。
令和5年度にはいよいよ東海・北陸「岐阜大会」が開催されます。今年度も、学校経営のリーダーとしての自覚をもち、校長会として『組織的に 学び続ける』一年にしていきましょう。
1.直面する課題
これからの時代は、超スマート社会Society5.0、超高齢化社会、予測困難な時代VUCAと言われます。このような時代をたくましく生き抜く子供を育てるためには、学習指導要領で目指す資質・能力の育成、そして、個別最適な学びと協働的な学びを具現する「令和の日本型学校教育」の構築が必要です。
いじめを見逃さない安全・安心な学校づくり、タブレット端末の活用及び授業改善等に加え、コロナ禍により新たな課題も浮かび上がっています。令和2年度問題行動調査では、小学生の不登校出現率が1%と増加傾向、令和3年度全国学力学習状況調査の質問紙調査では、「学校に行くのは楽しいと思う」にあてはまると回答した割合が前回比6ポイント低下などです。
また、教員採用倍率の低下による講師不足の中、大量採用による若手教員の育成、県教育委員会が求める管理職像6つの条件を踏まえた将来の学校経営を担う人材の育成など、直面する課題は、子供、教職員、地域との関わりなど多岐にわたっており、早急の対応及び解決が求められています。
2.組織的な対応
現在の学校経営では、チーム学校やマネジメントなど組織的対応が当たり前ですが、学校経営に企業の経営理論を取り入れたのは、「学校に組織マネジメントを取り入れる(H12 教育を変える17の提案)」「体系的な教育を組織的に行わなければならない(H18 教育基本法改正)」が始まりでした。その背景は、特別な支援を必要とする児童や不登校児童の増加、モンスターと言われる保護者対応など諸課題に対して、職員個々の力に頼り任せるのではなく、職員がよさや専門性を発揮して協働し、チームとしての解決が求められたからでした。
現在の状況も同じです。日々起こる課題に対して、私たちは確かな実践や根拠に基づき、的確な判断が求められます。が、全ての分野に長けたゼネラリストの方は少ないと思います。そこで、専門家集団である校長会を活かすのです。特別支援教育等各分野のスペシャリストの校長先生、また、各分科会で意図的な実践を通して専門性を高めている校長先生がみえます。専門性の発揮や分科会の取組を活かした組織的な取組により、課題を解決すると共に、自らの学校経営の力量を更に高めていくことができます。
3.学び続ける小学校長会
次年度の岐阜大会に向け、今年度より実行委員会を立ち上げ、運営や研究等準備を進めていきます。
また、「5領域11分科会」での研究実践は3年目を迎えます。前述の吃緊の課題を踏まえ、「研究の手引き」も昨年度の分科会委員長の皆さんが令和4年度用にアップデートしてくださいました。
今年度の研究総会は、岐阜地区での開催になります。岐阜地区の皆さんよろしくお願いします。この会を節目に、私たちの英知を結集し、「校長の果たすべきリーダーシップの視点」を互いに学び合い、子供たちや教職員のために、自信と誇りをもって学校経営に当たれるようにしていきましょう。
一年間お世話になりますがよろしくお願いします。