一人一人の知見を生かし合い、連携と連帯で生徒の生きる力を育む中学校長会に

岐阜県中学校長会
会 長  高橋 清仁
1 予測困難な未来

「予測困難な未来を生きる子供たち」は、従来、将来のAI時代の到来などによる社会構造の変化に対応できる資質・能力を身に付けさせるという文脈で使われてきた表現です。

しかし、1年以上にわたるコロナ禍の中にあって、「予測困難な未来」は全く異なる意味合いを帯びています。明日どのような対応を迫られるのか、私たちは正に予測困難な日常に振り回されながらも、日々小さな知見を積み上げています。

この小さな知見を繋いで、組織の力により、より強固な知見や今後の道標にする、そうした原動力になれる中学校長会でありたいと思います。

2 制約=クリエイティブ

この1年、その都度為すべきこと、為さざるべきことを見極め、決断し、行動してきました。ウイルスの特性を知り、どのような予防対策を講じればよいのか、学校に必要な物品や設備は何か、授業ではどのような配慮が必要なのか、行事は何をねらいとして、何ができて、何ができないのか。大きな制約の中で、私たちは必死に考えました。とかく制約からはネガティブな出口を導きがちです。

しかし、よくよく考えてみると、この間、私たちが日々考え実践してきたことは、ネガティブな取組とは一概に言えないのではないでしょうか。どの学校でも、校長や教職員のみならず、コロナ禍の中、学校生活を豊かに、楽しく送るためにどうすればよいか、生徒も巻き込んで一生懸命考えてきたのではないでしょうか。従前とは異なるけれど、こうすれば感染防止をしつつ、ねらいの実現に近づくのはないかと知恵を出して実践してきたのではないでしょうか。それぞれが自ら問うたはずです。本当に必要なことは何か、と。そして、本質的でないものを徹底的にそぎ落としてきたはずです。これはネガティブどころか、とてもクリエイティブな作業です。

コロナ禍がGIGAスクール構想を加速し、誰もがタブレット端末を用いて授業に臨むことが常態化されたことも紛れもない事実です。私の学校でも、生徒たちは私たちの想像を超えた、創造的な活用を編み出しています。

コロナ禍にもブライトサイドがあると前向きにとらえたいです。

3 直面する課題

今年度から完全実施となる新しい学習指導要領では、学習評価の観点が3つになり、指導と評価の一体化を標榜しながら、どの場面で何をどのように見取っていくのか、実践しながら明らかにしていかなければなりません。当然そこには説明責任も伴います。各領域や学校行事、地域との連携などを踏まえ、俯瞰的にとらえたカリキュラムマネジメントについても、私たち校長がリーダーシップを発揮して実現していかなければなりません。

また、コロナ禍の影響かどうかは確とはしませんが、心に漠然とした不安を抱えている生徒、人間関係に悩み登校しづらくなっている生徒、規範意識や想像力の欠如によるいじめなど、生徒の心情面での心配は後を絶ちません。

さらに、働き方改革の断行、個別最適な学びの実現、部活動の在り方、リアルとサイバーのベストミックス等々、目の前の課題は増えることはあっても減ることはありません。

4 そして連携、連帯へ

私たち校長は、それぞれの学校において日々たくさんの決断を自分一人でしなければなりません。個々の生徒の成長という目標は共通でも、状況や場面において決断を迷うこともたくさんあります。後から振り返ると間違っていたかも知れないと思うことも少なくありません。重大な危機に直面することもあります。そうした中、他校の校長との会話の中で、自校での実践のヒントを得られたり、自分がやろうとしていることの方向が間違っていないことを確信できたり、悩んでいるのが自分だけではないことがわかったりすることが多くあります。それは、私にとって大変心強く、自信をもって責任ある決断をすることにも繋がっています。

中学校長会で様々な研究を推進し、実践を共有する中で、そうした校長同士の同僚性とも言える、血の通った連携、連帯をより広げ、より強固なものにしていきたいと願っています。

すべては生徒一人一人の幸せのために。