新たなチャレンジを共に学び合うことができる中学校長会に

岐阜県中学校長会

会 長 桑 原 利 光

昨年度、悪天候に見舞われながらも、東陸中岐阜大会が開催され、会員の皆様の組織を挙げての取組により、大きな成果を上げることができました。岐阜県中学校長会として、一つの節目とできた一年でした。加えて、かつてなく大きな社会の変革期を迎えようとしているこのときに、会長という重責を担うことになりました。歴代会長のようなリーダーシップなど持ち合わせておりませんので、会員の皆様とともに歩みたいと考えております。ご支援のほど、よろしくお願いします。

さて、新学習指導要領の周知につれ、「Society5.0」という言葉が歩き出しました。政府広報オンラインでは「WEBムービー公開中!」です。すでにご覧になった方も多いかと思われますが、この中には、「くらしが変わる、はたらき方も変わるSociety5.0の世界を覗いてみよう!」と、近未来図が爽やかに描かれています。その一部を紹介します。

早朝、就寝中の女子高校生が、スマホの「10分後に荷物をお届けします」の音声に飛び起き縁側に出ると、時間ピッタリにドローンが飛来し、頼んであった商品を届けてくれます。空にはいくつものドローンが飛んでいます。キッチンのAI家電の前で「朝ご飯、何にしようかなぁ」と話しかけると、冷蔵庫が「ほうれん草とリンゴでスムージーはいかがですか?」と今あるものでできるレシピを提案してくれます。ついでに「牛乳がもうすぐなくなります。注文しますか?」と足りない食材を教え、注文までしてくれます。さらに、AIスピーカーに、「コロッケサンドとミックスサンド、いつものお店でお願い…」と伝えると、欲しい物を欲しい店に頼んでくれます。その後、その店に駆け込み、レジにスマホをかざすだけで、頼んでおいたサンドイッチを手にします。バス乗り場に向かう途中、無人トラクターが畑を耕しています。家のパソコン操作でcm単位の精度で操作でき、生育状況や日照時間等をビッグデータで管理し、最適な生育環境を教えてくれます。等々…

この5分ほどの動画は、「未来が楽しみでしょ。…Coming soon」で終わります。私もとっても楽しみです。ですが、果たして…この動画中のAIやIoTに当たり前のように囲まれて育つようになる子供たちは、これまで綿々と創りあげられてきた人間の本質的な価値をどのように理解するのかと、繰り返される不適切動画やSNS絡みのニュースを見聞きするほどに懸念してしまうわけです。

「Society5.0」の到来は、人間としての強み、生き方、さらには、学びや仕事にどのように向き合っていけばよいのかという本質的な問いを私たちに投げかけています。と同時に、社会の構造が劇的に変化する中で、子供たちが人間らしく豊かに生きていくために必要な力は何か、また、そのために学校や学びの在り方はどうあるべきか、教育に携わる私たちの命題となるわけです。

しかし、どのように時代が変化しようとも、私たちは、知識・技能や思考力・判断力・表現力、学びに向かう力・人間性を一人一人の生徒が身に付けることができるよう、学校教育の改善・充実を図る必要があります。そして、これまでもそうであったように、一人一人が他者との関わりの中で、人間らしく豊かに生きていく社会を追求するとともに、その創り手を育成することに変わりはありません。

私たち校長は、予測困難な時代とは言え、どうなっていくのかと不安な気持ちになっているだけではなく、何がどう変わるのかを具体的に見極め、今すべきことは何かを考え、行動することが重要になります。こういうときだからこそ、流される雲ではなく、新たな風となり、気概をもって、これからの中学校教育の創り手となっていきましょう。

そこで、本年度の岐阜県中学校長会の活動として、次の3点を大切にし、取り組みたいと考えます。

  • 今日的教育課題への迅速な対応と情報共有
  • 新たなチャレンジを共に学び合うことができる校長会
  • 笑顔一杯で、自由闊達な議論ができる校長会

こう書きながら、「Society1.0」をライフワークとし、生きる感覚を磨いている私です。皆様の温かいご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。